リンガル(舌側)矯正治療例

医療機関ホームページのガイドラインにより 術前後の写真の掲載を変えていきますので、症例、治療経過に対してご質問お問い合わせの方は[こちら]よりよろしくお願いします。

・医療機関ホームページガイドライン


リンガル矯正治療の一般的な流れを見ていきましょう。

・主訴 前歯の歯並びが気になる
・診断名 先天性欠損を伴ったAngleⅠ級叢生症例
・年齢 12歳10ヶ月
・使用した主な装置 リンガル矯正装置
・抜歯部位 右上4番、下左右4番
・治療期間 3年
・費用の目安 上下フルリンガル 124万円+税


不正咬合にはいろいろなタイプがあります。この方は永久歯が1本先天性欠損になっています。(生まれもって生えてくるべき永久歯がないこと)
噛み合わせも前歯の開咬を呈しています。患者さんの主訴は「綺麗な歯並びにしたい。」
矯正治療をおこなう場合は、頭部X線規格写真やパノラマ写真、模型を始めいろいろな資料を採って診断をしていきます。


資料:顔写真。この写真から口元のバランス、お顔の対称性をなどをチェックしていきます。


スマイルの写真からもいろいろな情報が得られます。顔に対しての歯並びの対称性や笑った時に歯や歯茎がどの程度見えるか、、、。


頭部X線規格写真は矯正治療をおこなう場合は必須の資料になります。
骨格的の問題や歯(・副作用歯槽性)の問題点と治療ゴールの立案をしていきます。
パノラマX線写真から 右上側切歯が無いことがわかります。
この他にも石膏模型を製作して診断していきます。


治療計画では便宜抜歯をして歯並びを整えていきます。
(矯正治療の為の便宜抜歯は、健康保険では処置ができません。自費治療になります)


抜歯スペースが閉鎖し、上下の噛み合わせを整えていきます。


ブラケットを外して1年後の写真です。
ブラケットを外した時が矯正治療の終了ではありません。後戻りを防ぐ為にリテーナーを用いて歯並びが安定するよう保定期間が必要になります。

リスク・副作用

1. 歯を動かすことは、硬い骨の中で歯の根が移動することです。矯正力を加えると、歯根の周りに骨改造現象が起きて歯が動くのですが、歯根吸収を起こす可能性もあります。一概に歯根吸収は矯正力のみが原因ということではなく、矯正経験がない方でも、歯根吸収が起きている場合があります。過度な矯正力を用いたりすると起こりやすいと言われています。持続的、弱い力を用いるため、矯正治療は年単位の治療になるのです。

2. 肉の退縮→歯茎が下がる→ブラックトライアングルの出現
これも矯正治療が100%原因というわけではありません。加齢とともに歯の周りの骨も痩せてきて、歯茎が下がることはあります。不正咬合や歯周組織の状態により、適正な矯正力を用いても歯茎が下がることはあります。過度の歯列拡大や画一化に非抜歯計画では骨が薄くなり、歯肉退縮のリスクが高くなることがあります。

3. 治療期間について。歯の動きには個人差があります。治療前に提示させていただいた治療期間よりも長くなる可能性もあります。

4. 矯正治療は見た目が良くないことから、歯に付ける器具(ブラケット)の材質も従来のメタルから白い材質のものや、歯の裏側に付けるリンガル装置が選択できます。

5. 痛みも治療開始3日~1週間程度は違和感を覚えますが、次第に慣れてくること、また、ワイヤーなどの材質も年々進化しやわらかく、細いワイヤーが開発されていますので、昔に比べれば痛みの度合いは減少しております。

6.矯正治療装置がお口の中に装着されると歯ブラシが届きにくい環境になります。虫歯や歯肉炎、歯周病に罹患するリスクが高くなりますので食後の歯ブラシを徹底していく必要があります。

7.時として歯の根が周りの歯槽骨と癒着して矯正力をかけても動かない場合があります。

8.動的治療中に一過性に知覚過敏を生じることがあります。

9.状況によっては、当初予定して治療計画を変更することもあります。

10.取り外し式(可撤式装置)で矯正治療をする場合、指示された時間を装着されないと予定した治療結果を得ることができない場合があります。

11.動的治療終了後は保定期間に入りますが、保定装置の使用状況によっては歯が動き始める後戻りを起こすことがあります。