医療費控除について

1. 医療費控除の概要

自分自身や家族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。 (支払った医療費-保険金等で補填される金額)-(10万円と総所得金額等の5%のいずれか少ない金額)=控除額。なお、医療費控除の最高限度額は200万円です。

歯の治療に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断

(1) 歯の治療は、高価な材料を使用することが多く治療代もかなり高額になります。保険のきかないいわゆる自由診療になるものもあります。このような場合、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものは医療費控除の対象になりません。しかし、金やポーセレンをつかった義歯の挿入は一般的な治療ですから対象になります。

(2) 発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。しかし、同じ歯列矯正でも、容ぼうを美化したりするなどのための費用は、医療費控除の対象になりません(ただ、成人矯正の範疇すべてが認められない訳ではありませんので、治療内容につきましては当院までお問い合わせください)。

(3) 治療のための通院費も医療費控除の対象になります。小さいお子さんの通院に付添が必要なときなどは、付添人の交通費も通院費に含まれます。通院費は、診察券などで通院した日を確認できるようにしておくとともに金額を記録しておくようにしてください。通院費として認められるのは交通機関などを利用したときの人的役務の提供の対価ですから、例えば、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代等といったものは、医療費控除の対象になりません。

医療控除のポイント

ポイント1

生計が一であれば扶養の有無はとわない。

ポイント2

親族の範囲は6親等内の血族、3親等内の姻族。

ポイント3

その年の元旦から大晦日までの1年間に支払った医療費が、対象となる。

ポイント4

未払いはダメ。

ポイント5

健康保険法の規定による高額療養費、出産育児一時金等や生命保険契約等の給付金は控除するが、傷病手当金や出産手当金は差し引かなくてもよい。

ポイント6

所得が少ない場合は10万円以下でも医療費控除が受けられる場合がある。

ポイント7

最高限度額は200万円。

ポイント8

医療費控除の対象になる医療費は消費税等込みで計算する。

ポイント9

医療費控除は勤務先での年末調整では行えないため、確定申告が必要。

ポイント10

共稼ぎの場合は医療費の負担者が明らかでない限り、下記の表のように所得税の税率が累進税率であるため、通常、所得の多い方が医療費控除を行った方が有利。

ポイント11

還付申告書は所得税が納め過ぎになっている年の翌年2月15日以前でも提出することができる。
税務上の詳細につきましては、最寄りの税務署にお問い合わせください。

※参考:[国税庁 ジャンルで選べる税金ガイド]